朝崎郁恵ベスト盤私的考察(笑)その1

いよいよ来月の6日に朝崎郁恵さんの初のベスト盤CDがリリースされます。
全16曲中6,7曲が僕自身関わった曲ということで、その選曲もちょっとオドロキだったのだけど久しぶりに色々な作品を聞き返してみました。普段本当に聞かないので『うたあしぃび』なんか4,5年ぶりではないだろうか?
いやあ、面白かったなあ。色々と思い出したこともあったし、新たな発見も多かった。CDのリリースに向けてそんなことを曲ごとに少しまとめてみようかということで、今回はその第一回目、お題は「UAと徳之島節」でございます。(「おぼくり〜ええうみ」はもういいよね・・・)
ええとこの「うたばうたゆん」収録の「徳之島節」はハッキリと言わせていただくと基本的にはボツテイク(笑)。この時アルバム収録に向けて色々とレコーディングした内「徳之島節」はかなり当確ラインを下回っていて、これは次回に回そうかな、と思っていたのだけど。。。
アルバムがかなり完成に迫ってきた所で突然とんでもないニュースが入ってきた。以前から交渉していたUAのゲスト参加が急にOKになったのだ。あまりに突然のことで「えっ?どうするの?」という感じだったけれど、基本的にはどれかの曲にお囃子で入ってもらうしかないだろう、ということで最もお囃子がドラマティックでUAに似合っているであろう「徳之島節」が急遽浮上してきたのだ〜!!
という訳で残念ながらこのUAのレコーディングは僕等と同時の録音ではなかったのだけど、そのおかげで大変に面白い現場に立ち会うことができた。アップライトピアノのある小さなブースで朝崎さんとUAと3人で最初の「お稽古」から僕が指揮をする立場で付き合ったのです。
UAは完全にまっさらな状態で来たので朝崎さんが曲の内容を説明して、歌詞をかみくだくように教えて、一緒に唄うことから始まった。こういう時のUAの集中力は凄まじいものがあって、あっという間に朝崎さんと同じようにユニゾンで唄えるようになる。でもUAUAたる所以はその次の段階にあったのだ。
今度はUA一人で僕のピアノと一緒にお囃子の部分を唄う練習をちょっとやったのだけど、不思議な身振り手振りをつけながら唄いだし、音程や唄い出しのタイミングを何度も確認しながらも、あっという間にあの「UA節」としか言いようのないオリジナルなスタイルを作り出したのだ。いやあ、あれはミラクル。ちなみに彼女はとっても耳がいいし、近代的な音程に慣らされているからピアノと一緒に唄いながらあの独特の音程感をキープすることはやはり彼女なりに難しかったみたい。あの身振り手振りはどうやら音程と節回しと連動しているみたいで「これでええかな?高いかな?」とか言いながら(それでもほんの数回)確認をして、いよいよレコーディング。1テイク目も素晴らしかったけど、2テイク目は思わず終わった時に「OH YEAH!」と僕がつぶやいてしまい(笑)、UAは嬉しそうに「OH YEAH??」と笑っていた。これでレコーディング終了!
ちなみにUAは自身のライブでもたまにシマウタのレパートリーを披露することがあるけれど、そういう場合シタールなどのエスニックな楽器との共演が多く、ピアノでやっている例は聞いたことがない。彼女的にはその方が音程的なことも含めてしっくり来るのだろうけど、僕はピアノの伴奏で、あの音程感で唄えるUAが物凄く好きだ。ちなみにピアノの伴奏でも全く何と言うことなく「あの音程感」で唄える朝崎さんも物凄く好きだ。このかけがえのない二人が唄っている「徳之島節」、まあ元はボツテイクだったとは言えやはり貴重な記録であることには変わりない。

さて、画像はこのレコーディング終了の時の3ショット!
一応撮影当時にUAの事務所に公開の許可をもらっているのであるが、もう大分前のことなのでネガの状態(笑)での公開とさせていただきます。なかなかシュールだなあ(笑)・・・