朝崎郁恵ベスト盤私的考察(笑)その2

napimusic2008-07-25

今日はヒマなので(笑、一応明日から忙しくする予定)もう一つ行ってしまえ〜!!

来月6日リリースの朝崎郁恵ベスト盤「朝崎郁恵 Featuring Best おぼくり〜ええうみ」の私的応援コーナー(笑)として始まったこのシリーズ、第二弾のお題は「塩道長浜とロックギター」でございます。

朝崎さんのユニバーサルからの第二弾CDとなった「うたあしぃび」はそれまでのピアノ路線オンリーを抜け出して色々な楽器・ミュージシャンとのコラボレーション=あしぃびを広げていこうということをコンセプトに凄まじく多彩な内容になっています。
その中で僕が関わった作品は4曲くらいになるのだけど、最も思い入れが強く改めて聞き直して感慨が深かったのはfeaturing SUGIZOの「塩道長浜」だよなあ、やっぱり。もっともこのコラボレーション、CD発売当時にはあまり話題にもならなかったし、一般的にも評価低かったような気がしてならない。朝崎さんファンの皆さんにはちょっと刺激強すぎたのかなあ(爆)??

さてこのコラボレーション、元々SUGIZO(敬称略とさせていただきます)が朝崎さんの熱烈なファンであったことから実現したもの。僕はLUNA SEA当時のあの独特のアンビエント感のあるギターが妙に印象に残っていたので、彼とのコラボの話が浮上した時にぜひ「塩道」をやってみたいと思った。実はこの曲も「うたばうたゆん」レコーディング時にボツというか延期になったものの一つだった。「塩道長浜」は奄美シマウタの中でも間違いなく最も壮絶、一般的には悲恋とか悲劇と言われるけどそんなレベルをはるかに越えた凄まじい情念のうずまく世界を唄ったものである。(興味のある方はネットで調べてみて下さいね。)その「狂気」と言っても過言ではないような世界を描くのに決定的な切り札を欠いているような気がしていた。そして、そう、もしかしたらSUGIZOのギターこそ、この切り札になるのではないか?と思ったのである。

そしてもう一つ、この喜界島にある「塩道長浜」であるが、なんと観光地化されてしまってオリジナルの浜が工事されて公園になってしまったのだ。その当時朝崎さんは非常にそのことを嘆いていた。(悪しき公共事業の何たらとかいう問題にはここでは触れないでおこう・・・・)

そんなこともあってレコーディングの少し前に僕は初めて会ったSUGIZOにこの「塩道長浜」を「レクイエム」にしたい、というリクエストを出した。狂気と情念のうずまく「レクイエム」。非常に抽象的で矛盾したリクエストかもしれないけど、多分彼は一瞬にして理解してくれたのだと思う。その場で朝崎さんの唄にシンプルなシンセのアンビエントを足したデモ音源を渡した時、既に凄いことが起こりそうな予感が渦巻いていた。(ちなみに初めてお会いしたSUGIZOさんは例によってロックなファッションでしたが実に礼儀正しくスピリチュアルな素晴らしい人でした〜!!)

そしてレコーディング当日、さすがに「エフェクターフェチ」と自ら言い切るだけあって膨大なアウトボード類と巨大なアンプを持ち込んだSUGIZOはリラックスしつつも、自らの音にとことん拘り、モニタールームに出てくる音を聞きながら長い時間をかけてサウンドを作っていった。そしてバックのオケを聴きながら僕らの間では、テレキャスターのクリーンな音と、ディストーションの効いたトレモロアーム使いまくり(こちらはアーム付きのレスポールシェイプのカスタムメードでしたね)のソロとの両方で世界を構築しようということになっていた。実際にサウンドが決まってしまえばレコーディングそのものはアッと言う間だった。そこでSUGIZOが弾いてくれたギターソロは本当に完璧なまでに僕が望んでいた「塩道長浜」になりきっていた。実はレコーディングの現場ではまだオケの方は出来上がっていなくてBPM120(だったかな?)の4つ打ちのキックが鳴り響くなか(笑)、あのギターソロが炸裂したのであるが、もう朝崎さんも僕も大興奮。朝崎さんのあの感性の若さにはホント驚かされます。周りの若いスタッフの方があまりの爆音に引いていたりして(笑)。。。

ちなみにこの時点ではフェードアウトで終わるつもりだったので、かなり長いギターソロを弾いた後でSUGIZOが「このくらいでいいかな?」と言って終わるのであるが、実際に後でハーフのテンポにしてオケを作り直したら、このソロが最後の最後まで使えるどころか、後から作ったエンディングにぴったりと当てはまるので驚いてしまった。

いやあ、今聴きなおしてみても素晴らしい。やっぱり「塩道長浜」はこれくらい強力じゃなきゃ!!

という訳でその時の写真も。。。
評判悪かったので「ネガ」はやめます(爆)!