大曲志向の落とし穴・・・・

僕は昔から『名曲・大曲』の類が好きです。名曲が好きなのはある意味当たり前なんですけど、演奏家としてはやや困ったところもあるようで・・・
なにしろチェンバロを勉強していた時でさえ、バッハで言えば「平均律」「パルティータ」「ゴールドベルク」辺りしかやる気が起きないんです。しかもそれ以外の作曲家と言うと(笑)・・・いや名曲が無いわけではないですよ。でもね、やっぱりルネサンスバロック期は僕の耳には『佳曲・小曲』の宝庫なんですね。
えっとなんでこんなことを書き出したかと言いますと、来月6月22日金曜日にクラリネット奏者田中正敏さんのリサイタルが代々木上原ムジカーザでございまして(皆さん、カレンダーに書き込んでおきましょうね!)この日のメインプログラムがブラームスクラリネット・トリオ(チェロは「ゆみぴょん」こと諸岡由美子さんです)になってしまったのです。
「なってしまった」と書きましたが、実はなってしまった原因はワタクシにあります。今回のリサイタルの為の選曲を田中さんとあーだ、こーだ、考えておりましてメインプログラムには何かトリオの作品を!という訳で古今東西(はウソだな)のありとあらゆるクラリネットトリオやヴァイオリンで演奏されるピアノトリオをリサーチしていたのですが。。。。
やっぱり「名曲」は少ないんですよね。「佳曲」はそれなりにあったのですが。。
そんなある日田中さんからブラームスの「クラリネット・トリオ」の楽譜が送られてきました。もうね、一見してちょっと弾いただけで僕は「絶対にこれにしよう!!」と言ってしまったのです。実際この曲は名曲・大曲揃いであるブラームス室内楽の中でも飛び抜けて素晴らしい曲だと思います。
でもね、さらいはじめてみたら当たり前だけど難しい。超難しい。超超超難しい〜!!!ブラームスのピアノパートとしては例えばピアノトリオやヴァイオリンソナタよりは簡単だし、テクニック的にも何とか弾けるかな?と思っていたのですが、甘かった〜!!!
いや、でもまだ6週間ちょっとある。これを乗り越えれば多少は「ピアニスト」としても得るものはあるはずです。それにやっぱり「名曲・大曲」はさらっていて楽しいんですよね〜。