朝崎郁恵ベスト盤私的考察(笑)その4

さて、リリースされてはしまいましたが、まだまだ勝負はこれから!ということで(?)続けていきたいと思います。ちゅうかそろそろ終わりにしましょうかね。

昨日は新宿タワーレコードを覗いてまいりました。馴染みの店員さんも大分いなくなってしまって(特に朝崎さんのCDを強力プッシュしてくれていたIさんとか・・)ちと寂しくなりましたが、でもベスト盤しっかりとディスプレイされていました。一枚づつ撫で回してきました(笑)。

さて、という訳で今日のお題は「行きょおれ」とウォンさんでございます。(きっと長いぞ〜)

ええと僕とウォンさんの出会いは朝崎さんとの出会いよりも一年くらい前になります。事実上ウォンさんとの出会いとその後の彼と一緒の活動から朝崎さんにも出合ったのですが、その辺りは詳しく書くと長くなるのではしょるとして。。。

97年の「海美」(「おぼくり〜ええうみ」が収録された最初のインディーズ盤)がリリースされた翌年くらいかな?ウォンさんから突然電話がかかってきて「奄美坪山豊さんって知ってる?今度一緒にやることになったから遊びにおいでよ〜」とのこと。リハーサルは都合がつかなくて伺えなかったけど、本番はしっかりと聴きにいきました。

この時は坪山さんと西和美さん、そして貴島康男君という3人+ウォンさんという組合せ。共演は3曲くらいだと記憶しておりますが、この時坪山さんとウォンさんが一緒にやったのが「行きょおれ」でした。

ちなみに和美さんと初めてお話したのはこの時。それ以来とても親しく楽しくお付き合いさせてもらっております。康男君は・・・多分この時のことは覚えていないだろうな〜

坪山さんはこの時を含めて5回くらいお会いしてご挨拶しておりますが・・・いつもそれだけで終わっておりますね(笑)。

音楽的には坪山さんとウォンさんの相性はそれ程抜きん出たものがあったわけでもなく、まあ楽しいセッションという感じのライブでした。

それから4年くらいかな?「うたあしぃび」のレコーディングの際にウォンさんと息子の美音志君が参加することになり、僕は朝崎さん、プロデューサーの森さんとウォンさん宅に打ち合わせにお邪魔しました。既に僕の方で何曲かウォンさんがやったら素晴らしいのでは?と思っていた曲をリストアップしていたのですが、あれこれ合わせながらやっている内に突然ウォンさんが「朝崎さん、『行きょおれ』という唄は唄っていないんですか?」と言い出しました。僕はそれまで朝崎さんのレパートリーとしての「行きょおれ」は聴いたことがなかったのだけど、朝崎さんはその場で彼女の「「行きょおれ」を唄ってくれました。

それは坪山さんの「行きょおれ」とは全く違う曲で、アカペラで聴いても鳥肌が立つくらいに凄まじい唄でした。こりゃ、大変なことになるぞー、と思ったら、本当にというか想像以上に大変なことになってしまいました。

残念ながらこの時のレコーディング本番には僕は立ち会っておりません。でもウォンさんから後日様子を聴いて、CDを聴いた限りでは(唄は結構ずれたりしているし)一発勝負の世界だったと思います。

僕は個人的に朝崎さんのピークって二つある(あった)と思っているんです。一つは僕が出合った94年から96年くらいで、この頃は今よりも音域が高くて、息も長く、要するに技巧的な意味で超絶的な唄者、ある意味奄美でいう所の巧者(クイシャ)だったかもしれない。この頃朝崎さんが唄った「嘉徳なべかな」とか「今ぬ風雲」とかそういう唄にはひたすらぶっ飛んだものでした。

そして二つ目がこの「行きょおれ」に始まって今に至る「唄えば全て殆ど神唄状態」(笑)という朝崎節の真髄の時代です。元々朝崎さんの唄ってそういう要素が強かったのですが、完全に開けてしまったのはやはり「行きょおれ」がきっかけではないか、と思う次第です。

僕のホームページの裏掲示板でもウォンさんと昨日からこの話題が議論(?)されていまして、まあ結論としては僕が下準備をして、ウォンさんが扉を開いた、と(笑)。まあ朝崎さんのことですから誰がどう絡もうと、結局このステージにはやってきたのでしょうけど、今世でのお役目はそういうことだったのではないかということになりました。

とまあこれでも簡単にまとめてしまった方なのですが、僕は改めてこのベスト盤を聴いて「行きょおれ」のもたらす感慨の深さに驚きました。

他にも一緒にレコーディングしたチチ松村さんの「ティクテングワ」とか色々な思い出があるのですが・・・・

ここでは番外編として、どうしてベスト盤に選ばれなかったの?というのを二つだけ。

一つは「うたあしぃび」に入っている姫神さんとの「六調」!!!
これは契約の関係か何かあったのかなあ?ぜひぜひ、入れて欲しかったなあ。。

そしてもう一つは同じく「うたあしぃび」に入っている「今日ぬほこらしゃ」。これね、自分がやったものとしては結構好きなんです。

まあ、一枚にまとめるとなると色々ありますよね〜

という訳で長いことウダウダと書いてきましたが、とにかく朝崎さんの唄の世界の素晴らしさが、このCDをきっかけに更に広がっていくことを心より祈ります!!皆さん、ぜひぜひ聞いて下さい。

そして首都圏の方(それ以外でも勿論)、9月18日のCD発売記念ライブにも是非是非お出かけ下さいませ。詳細はこちらを参照してね!

http://www.asazakiikue.com/